[The preventive effect of coproantibody to rotavirus infection].

血清中のロタウイルスに対する特異的抗体が感 染防御に有効でないのは,血 中抗体は単に真の防 御効果をもつ局所の特異的抗体 レベルを反映 して いるにすぎないからである.局 所抗体が消失した あとも血中抗体が持続していると考えられる1). われわれは冬期乳児下痢症患児の急性期糞便材 料中よりロタウイルス抗原を検出するとともに, 特異的IgA抗 体を測定 したので報告する. ロタウイル ス抗原 の検 出には ロタエ ンザ ム (IDL),お よびロタクローン(CambridgeBioScience)を 用いた.特 異的IgA抗 体は酵素免疫測 定法によった2)3).また糞便材料中と総IgA量 を測 定 し3),総IgA量10μg/dl当 た りの特異抗体単位 を算出した. 89例 の急性胃腸炎患児の糞便材料について検討 を行った.71例(80%)は2歳 以下の年齢群であっ た.71例 中27例(38%)に ロタウイルス抗原陽性 で あった.3歳 以上 の年 齢群 で は18例 中2例 (11%)に のみ ロタウイルス抗原陽性であった.ロ タウイルス抗原の陽性率は2歳 以下の年齢群で有 意に高かった(Table1). 2歳 以下の年齢群では16例(23%)が 特異的IgA 抗体陽性であった.3歳 以上 の年齢群では11例 (61%)が 特異的IgA抗 体陽性であった.3歳 以上 の年齢群で特異的IgA抗 体の陽性率が有意 に高 かった. 2歳 以下の年齢群のロタウイルス陽性例27例 中 4例 のみが特異的IgA抗 体陽性であった.ま た3 歳以上の年齢群の ロタウイルス陽性の2例 はいず れも特異的IgA抗 体陰性であった. 2歳 以下の年齢群 で特異的IgA抗 体陽性の16 例中4例 のみがロタウイルス陽性であった.3歳